真鍮は・・・・
一般には真鍮とも呼ばれ、最も使用量が多く、また種類も豊富な銅合金で、銅と亜鉛のCu-Zn系の合金に、さらに添加元素を加えて特性を向上させた金属材料です。主にZn(亜鉛)の添加量で特性が大きく変わるため、七三黄銅など銅と亜鉛の比率を冠した名称が使われている材料もあります。亜鉛量が1%~2%となっているものが雷管用銅、4%から22%のものが丹銅、28%から32%のものが七三黄銅、32%~37%が65/35黄銅、37%~43%が六四黄銅といった具合です。この亜鉛の比率と添加元素は、電気伝導率、沸点、熱伝導率、耐食性、加工性などに影響してきます。
C3604の特性
C3604は快削黄銅二種ともいい、60/40黄銅系の成分に第三元素として鉛を添加することで切削性が大幅に改善された真鍮です。真鍮の中でもC3604は特に被削性(切り屑処理性、仕上面品質、切削抵抗及び工具寿命などを考慮した評価)に優れています。
C3604は真鍮において切削だけを考えた最も適した材料です。これはJISでは成分を銅と鉛を規定し、金属組織がα+β相となり鉛を含有できる組織となるからです。
しかし、C3604は亜鉛分が高くて硬いβ結晶を含むため、引張り強さは大きいが、伸び率、断面収縮率は共に低く展延性は良くありません。また加工硬化も大きく亀裂が生じ易くなります。
C3604には冷間引抜と熱間押出と二つの仕上げ方法があり、機械的性質は、硬さと引張強さのみ規定しています。
特徴は、切削加工性が良いため、切削仕上げ面がきれいにでき、他の金属に比べて工具寿命が長いことです。従って精密計器や時計などの部品、歯車、バルブなどの切削加工によって製作されるものに多く使われます。
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